保険

貯蓄型保険とは?掛け捨てと貯蓄型のメリット・デメリットも比較

最近、保険の営業員から営業を受けました。
話を聞くと、保険にも種類があり掛け捨て型もあれば貯蓄型もあるとのこと。

掛け捨ては、なんとなく知っていましたが、保険なのに貯蓄型って??
と思い、少し気になったので調べてみました。

「貯蓄型保険っていったい何なの?」
「保険料って支払うものなのに、貯めることもできるの?」、
「貯蓄型のメリットやデメリットってなに?」

こんな疑問にお答えします。

貯蓄型保険とは

いきなり横道にそれますが、「貯蓄」と似た言葉に「貯金」という言葉がありますよね。
この2つの言葉の違い、皆さんは説明できますか?

漢字をよく見ると想像がつきます。
「貯金」は字の通り、お金を貯めることですよね。

一方、「貯蓄」は、資産を貯め蓄えることを意味しています。「貯金」はお金限定であり、「貯蓄」はお金をはじめとした資産全般を示していることになります。また、さらに重要な違いとして、「貯蓄」は将来を見込んで蓄えるというニュアンスを含みます。

違いがわかったところで、話を戻しましょう。
貯蓄型保険も将来のために蓄えるという点が大きな特徴となります。

保険という商品自体が万が一の時のために存在するものですので少し混乱してしまうかもしれませんが、保険そのものに「蓄える」という意味はありません。貯蓄型保険は、万が一のための備えに加え、「蓄える」という性質を持った商品ということです。具体的な貯蓄型保険の種類を挙げて、もう少し詳しく見ていきましょう。

終身保険

「終身保険」は、契約していれば一生涯に渡って保障が続く保険です。

もし亡くなられた場合には、死亡保険金を受け取ることができます。
また、例えば、両目の視力を完全に失い、回復の余地がない場合等、
重度の障害に該当した場合には高度障害保険金を受け取れます。

解約返戻金があるということもポイントのひとつ。
途中で終身保険を解約した場合でも、それまで支払ったお金の一部を戻してもらうことができます。一定の支払い期間(払込期間)を過ぎると、解約返戻金の額が一気に上がり、支払った額を上回る解約返戻金を受け取れる場合も多いようです。

学資保険

「学資保険」は、お子さんの学費を準備することができる保険です。

契約時に設定した時期になると、まとまったお金をもらうことができます。
高校入学や大学入学といったライフイベントの際の経済的な助けになってくれます。

学資保険は、契約した人(子供の両親等)が万が一、亡くなったり高度障害になった場合、
以降の保険金の支払いがすべて免除となるケースが一般的。万が一なにかあった場合でも保証が続くという点はありがたいですよね。

養老保険

「養老保険」は、保険料の払い込み中に死亡・高度障害となった場合に保険金を受け取ることができ、払い込みが終わり生存していた場合でも死亡・高度障害保険金と同額の保険金を受け取ることができる保険です。

死亡・高度障害の保障と、貯蓄の機能を兼ね備えた保険といえます。

「〇〇歳になったときに、〇〇万円はもらっておきたい!」という計画が立てやすい保険で、何年払い込むか、もしくは、いくらもらいたいかを明確にすれば満期保険金として設定した額が振り込まれます。

個人年金保険

「個人年金保険」は、養老保険に少し似ていますが、一定期間の保険料の払い込みが完了し満期を迎えると、払い込み額に応じた年金が受け取れる保険です。

養老保険との違いですが、養老保険は保険料の払い込み途中で亡くなった場合でも満期の保険金と同額のお金を受け取れるのに対し、個人年金保険では、払い込んだ分の保険料しか受け取ることができません。

その一方で、個人年金保険は満期を迎えたあとに、養老保険の満期保険金よりも比較的高い利率で一定期間年金を受け取ることができます。

受け取る年齢をある程度柔軟に選べることも個人年金保険の特徴となります。
(通常、60歳~65歳あたりから受け取りが開始されます)

外貨保険

2018年度に過去最高の販売を記録した保険が、外貨保険です。
その名の通り、米ドルやユーロ等の外貨で保険料を払い込み、一定の期間を過ぎ満期になった時に円に換えて保険金を受け取ることができます。

円建て(日本円での払い込み)よりも利回りが比較的高いため、将来受け取ることができる利益が大きく人気の保険商品となっています。ただ、円から外貨、外貨から円に交換した際には為替手数料が引かれますし、経済の状況によって元本割れする可能性もあるため、注意が必要です。

掛け捨てとはどう違うのか

貯蓄性保険がどのようなものか大まかにはわかっていただけたかと思います。
次に、掛け捨て型との比較をして、より詳細に貯蓄型保険について理解していきましょう。

まずは、これまでの話を踏まえて、貯蓄型保険のメリット・デメリットを整理し、そのあとで掛け捨て型保険のメリット・デメリットも見ていきます。

貯蓄型のメリット

計画的にお金を増やすことができる

メリットを説明する前に、とある法則について紹介させてください。

みなさんは「パーキンソンの法則」をご存知でしょうか。
あまり耳慣れない法則かと思います。

パーキンソンの法則とは、「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」という法則です。(第1法則と第2法則があり、上記の法則は第2法則)

少し堅苦しい表現なので、簡単に言い換えると、
「稼いだ分だけ、使ってしまう」という法則です。

みなさんも以下のような経験はないでしょうか。

  • バイトでせっかく稼いでもすぐに使い切ってしまう
  • ボーナスが入ったのに気づいたらなくなっていた
  • 収入は増えているはずなのに、生活が全然楽にならない

これらは全て、パーキンソンの法則を証明していると言っても良いでしょう。
では、このような負の連鎖を断ち切るにはどうしたら良いでしょうか。

答えはとてもシンプルで、「使う前に貯める」。
これだけです。

使う前に貯めることによって、貯めたお金は「支出」をみなすことが可能になります。
法則を覆すことはできませんが収入の一部を支出とみなすことで実際に自分の手元から離れていくお金を減らすことができます。

なぜこの話をしたかというと、貯蓄型保険がまさに「使う前に貯める」機会を与えてくれる商品だからです。保険への「支出」という形で、計画的にお金を貯めることができ、最終的には自分のものになる。

これは貯蓄性保険ならではメリットですね。

保障と貯蓄が同時に受けられる

貯蓄型保険のもうひとつのメリットは、将来への保障と貯蓄が同時に実現するという点です。

「何かあったときには助けて欲しいが、お金はかけたくない!」
言葉だけ聞くと、理不尽にも聞こえかねないこの願望を叶えてくれるのは大きなメリット。

着実に貯蓄を続けていくことによって、払い込み額が受取額を上回ることも多いため、
とてもお得に保障を受けられるという見方もできますね。ピンチの時に自分自身を守ってくれるだけでなく、未来のお助け役となってくれる頼もしい存在といえます。

保障と貯蓄だけではない様々なメリットもある

一般的なメリットとしては、今見てきた2点ですが、まだまだ多くのメリットが貯蓄性保険には存在します。どのようなものなのかというと、

  • 生命保険料控除、個人年金保険料控除を受けられる
  • 解約しても払い込んだお金の一部が戻ってくる(解約返戻金がある)
  • 解約返戻金の範囲内で保険会社からの貸し付けを受けられる

保険料控除では、住民税や所得税といった税金が減額となりますので節税対策となります。
例えば個人年金保険に入った場合には、年間1万円以上の節税も可能です。

そのほか、解約返戻金を活用して、保険会社からお金を借りることができたり(契約者貸付)、保険料の支払いが難しい時にはお金を立て替えてもらうこと(自動振替貸付)も可能です。使える制度は、できる限り使っていきましょう!

貯蓄型のデメリット

保険料が高い

貯蓄型保険は、掛け捨て型と比べて保険料が高くなります。
保障のための費用が必要である点に関しては、貯蓄型でも掛け捨て型も同じです。

しかし、貯蓄型保険には保険料を払い戻すための費用も含むため、
割高となってしまうデメリットがあります。

保険料が高いということは、それだけ家計への負担が大きいということですので、
今後の収支を見越して払い込み額を決めていきましょう。

途中解約で元本割れの可能性がある

貯蓄型保険の契約を解除したいと思った時、それまで払い込んだ保険料の合計より解約返戻金が少なくなるケースがあります。

常に払った金額より多くの金額を受け取れるわけではないということを覚えておきましょう。途中解約するタイミングが早ければ早いほど、受け取れる金額が少なくなります。

一度契約したら、満期になるまでは絶対解約しないという覚悟で検討しましょう。
中途半端な行動は、時間もお金も無駄になってしまいます。

インフレリスクがある

貯蓄型保険の多くは、契約した時点で今後の金利が固定されてしまいます。
そのため、低い金利で契約してしまうと経済全体の金利が上がった場合には損となります。

例えば年間0.01%の金利の時に契約して、その後、経済全体の金利が年間0.02%に上がった場合でも貯蓄型保険の金利は(金利は0.02%に上がることはなく)0.01%のまま推移することになります。

現在の貯蓄型保険を解約して、新たに0.02%の保険商品を購入するにしても元本割れしてしまいます。リスクを考慮したうえで慎重に保険を選ぶことが大切です。

掛け捨て型のメリット

保険料が安い

貯蓄型保険のデメリットの逆ということになりますが、掛け捨て型保険は貯蓄型に比べて保険料が安く設定されています。

掛け捨て型保険は、単純に保障部分にのみ費用をかけるもので
貯蓄性はありませんので安い商品が多くなっています。

保障が手厚い

掛け捨て型保険は、安い割に保障が充実しているメリットもあります。

できる限り安く、かつ保障を優先させたいと考えている方は、貯蓄型保険よりも掛け捨て型保険の方が適しているといえます。自分自身が保険に入る目的や理由を明確にして、保障を手厚くしたいのか否かを決めていきましょう。

見直しが気軽にできる

貯蓄型保険では、一度契約するとすぐ解約することは難しいですが(大幅に損する可能性がある)、掛け捨て型保険の場合は、定期的に見直しすることが可能です。

保険に一度も入ったことがなく、そもそも保険がどのようなものかわからないという方は、
短期間でかまいませんので試しに掛け捨て型保険を契約してみることもありかもしれませんね。

掛け捨て型のデメリット

解約してもお金が戻らない場合が多い

ほとんどの掛け捨て型保険は、解約返戻金や満期保険金がありません。
そのため、途中で解約しても過去に払い込んだ保険料が戻ってくるということはありません。ですので、

  • せっかくお金を出したのに、無駄になる気がする
  • 少しでもいいから、お金が戻ってきたらいいと考えている

このような方は、貯蓄型保険の検討をおすすめします。

保険適用の期間が限定されている

掛け捨て型保険の保険期間は、定期のものが多く、5~10年、20年、30年と一定の保険期間を経ると終了してしまうため注意が必要となります。

一部の掛け捨て型保険では、一生涯に渡り保障してくれるものもありますが、いずれにせよ保険期間についてはよく確認しておいた方が良いでしょう。万が一の場合に、保険の対象期間外だったという事態にも陥りかねません。

また、保険期間が満期を迎えた場合にも注意が必要です。契約を更新する場合には問題ありませんが、新規で別の保険を申し込む場合には審査を受けなければなりません。

審査で落ちると、当然ながら該当の保険には申し込めませんので気を付けてください。

以上、いかがだったでしょうか。
どちらの保険にもメリット・デメリットがありますので、
目的に応じて使い分けをしていくと良いでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考にしていただけたら幸いです。