この記事を読まれている方は、貯金や節約について考え、あれこれ取り組んだのに結果が出ず、その原因も分からず悩みを抱えている方だと思います。
これまで、貯金をするための節約術について色々と調べてみていかがでしょうか。
下記のような方法を一度は試したことがあるのではないでしょうか。
・家計簿つけ、支出を把握する
・クレジットカード、電子マネーは使わず、現金を利用する
・給料日には、まとまった金額を下ろし、用途ごとに分けて利用する
・自炊をする
・固定費を見直す
・貯金をする目標を持つ
etc…
どこのサイトを見ても同じことばかり書いてあり、もっと違う方法を知りたい!!もしかして自分は、貯金や節約に向いていないのかもしれない…と悩んでいる方もいると思います。
安心してください!貯金・節約ができないのは、あなたのせいではありません。
企業の戦略によって消費者である私たちはお金を使うよう誘導されているために、なかなか節約ができないのです。
企業が私たちに商品を買わせるために、サービスを利用させるためにどのように考えているかご存じでしょうか。
ここに気が付かないと、いくら貯金のための節約術を学んで実践しても効果はないかもしれません。
私たちは、無意識下の法則で購入へと動かされていることを知り、そのうえで対策を講じる必要があります。
特に貯金をするために頑張ったけど全く効果がない、節約ができないと悩んでいる方にこそ読んで欲しいと思います。
選択肢が3つあると真ん中を選ぶ!?【松竹梅効果】
松竹梅の法則(別名:ゴルディロックス効果)をご存じでしょうか。
選択肢が3つある場合に、人は極端の回避性の法則から真ん中を選びやすくなるというものです。
例えば、似た商品があり、性能の差によって下記のように3パターン値付けがされているとします。
①5000円 ②3000円 ③2000円
こうした際、「損はしたくないから高いのは控えよう」「安いのを買って失敗したくない、1000円しか違わないなら②にしよう」というようにおおよそ2:5 :3の比率で、真ん中の商品の購買率が最も高くなると言われています。
単体で商品が置かれていると、私たち消費者は買うか買わないかを選択します。
しかし、複数の似た商品が置かれていると、私たちは買うか買わないかの選択ではなく、買うならどれにしようかということに悩み始めるのです。
貯金・節約をしたいのであれば、買うのを控えることが1番です。
これば皆分かっていることですが、私たちはいつの間にか自分で意思決定をしたつもりで、実は、企業に誘導されていたなんてことが多くあります。
他の例も紹介しましょう。
大勢の人が支持しているとその人気はより高まる?
【バンドワゴン効果】
バンドワゴンとは、パレードの先頭を進む楽隊者のことを指します。
バンドワゴン効果とは、ある選択肢を大勢が支持をすることで、選択する者をさらに増大させる効果です。
広告で、下記のような目を引く言葉を見たことや聞いたことはないでしょうか。
・全米が泣いた
・当店人気No.1商品
・○万人が利用!!
ほかにもSNSで多くのいいねがついている商品を見るとつい気になったり、フォロワーが多いアカウントは何だかすごく感じたり…
本当に人気な商品やお店等ももちろんありますが、いまや口コミやフォロワーもお金で買えてしまう時代です。
こうした見せ方により、皆が買ってるなら(やってるなら)とつい流行に流されてしまうことが節約ができない原因の1つとなっています。
自分に関係のある情報はよく入ってくる
【カクテルパーティー効果】
カクテルパーティー効果とは、自分に関係のある情報に対して強い関心をもつという心理効果のことを指します。
人混みやイベント会場など、大勢が集う空間で自分の名前を呼ばれると意外と気付けますよね?
私たちは、無意識のうちに膨大な情報のなかから受け取る情報を取捨選択しており、自分に関係のある情報は、特に目につきやすかったり耳に入りやすくなっています。
これが、カクテルパーティー効果です。
ネット通販には、この手法がよく用いられているため、ネット通販をよく利用する方であれば、節約ができない原因はこれかもしれません。
たとえば「20代におすすめ」「この商品を買った人はこちらも買っています」と商品を勧められたことはないでしょうか。
しかも、私たちが欲しそうな商品を表示してくれます。そして「確かにこれも便利そう!」という気持ちでつい買ってしまうのです。
ネット通販は、うまく使えば貯金や節約に大いに役立ちますが、一方で便利さゆえに節約できない原因にもなりえます。
貯金、節約できない悩みを抱える方は、ネット通販の利用頻度を確認し、多いようであれば一度見直してみてはいかがでしょうか。
どうしても必要なものがある場合には、必要なものだけ購入し、それ以外の節約を妨げる誘惑には目もくれず、サイトを閉じましょう。
なんか効きそうな気がする…!
【シャルパンティエ効果】
シャルパンティエ効果は、イメージによって、大きさや重さの判断が変わってしまうことを言います。
こちらも私たちが貯金や節約ができない原因の1つです。下記をご覧ください。
管理栄養士の98%が推奨 1日分の野菜
コンビニやスーパーのドリンクコーナーでよくみるあれです。
「野菜350g分」を「1日分の野菜」と強調しています。
野菜350gと言われても何だかぴんとこないですよね?
1日に必要な野菜を、ただ飲むだけで手軽に摂取できるなんて素晴らしい!!と、食べるよりもこっちの方が良さそうに思えます。
他にもレモン100個分のビタミンC、タウリン1000mg配合と聞いたことはありませんか?言い換えると2000㎎のビタミンC、タウリン1g…
どちらが買いたくなるでしょうか。おそらく前者だと思います。
このように普段何気なく目にする商品やサービスの名前は、私たちが無意識に購入しやすいよう作られています。
節約術を試しているのに貯金ができない、うまくいかないと悩むのは、こうした無意識に支出を増やす罠があちらこちらに散らばっているからです。
損した時の恐怖は喜びよりも2.25倍も大きい
【プロスペクト理論】
損失回避の法則とも言い、人間は得をすることよりも損をしないことを選んでしまうという法則です。
たとえば、ポイントやクーポン券など飲食店からアパレルショップなど様々なお店で受け取ることが多いと思います。
「保有ポイントがあと30日で失効です!」「クーポン券の有効期限が迫っています!」などといったメルマガやお知らせは、皆さんも届いたことがあるのではないでしょうか。
また、財布を整理していたらポロっとクーポン券を見つけ、その有効期限が今週まで…
こんな時、焦ってクーポンを使うために週末はこのお店に行かないと!と思いませんか?
クーポンを使うためには、おおよそそれ以上の支出が付き物です。たとえば1000円OFFクーポンを使うために2000円以上の買い物が必要だったりしますよね。
何も得ることなくこの1000円がなくなるはもったいない…であれば、多少お金を払っても安く買えるからこちらのほうがお得!!と考えてしまいがちです。
これも貯金・節約ができない悩みを抱える人に共通する原因の1つです。
必要なものであれば良いのですが、必要ではないけれどクーポンやポイントがなくなるのはもったいないから買うというのはやめましょう。
心当たりのある方はお気をつけください!
値引きには要注意!!【アンカリング効果】
アンカリング効果とは、最初に目にした情報が後の意志決定にも影響を及ぼすことです。
アパレルショップ、家電店に行くと毎回目にする○%OFFといったオフオフ合戦!!
特に欲しいと思っていなくても、使えそうな商品が半額近く安くなっていると買っても良いかな?と思いませんか?
これがお目当ての商品であれば即買いだと思います。
そして、店側は高く金額を見せてから安くすることでお得感を演出し、私たちの財布の紐を緩めてきます
お得だから買おう!!は、貯金や節約において大きな罠です。
必要としていたものをお得に購入することはもちろん大切ですが、必要でないものをお得だからといって購入してしまうと、永遠と貯金・節約できないことに悩むこととなります。
浪費となってしまっている原因に目を向けることで、貯金や節約ができない悩みを解決しましょう。
1つ購入すると財布の紐が緩む
【テンション・リダクション】
テンション・リダクションとは、一度何かを購入すると気持ちが緩んでしまい、他の商品もつい買ってしまうような心理のことです。
例えば、目的の商品Aを買いに行った際に似た商品Bをみて、どちらを買うか長時間迷ったにもかかわらず、その後目的ではなかった商品も一緒に買ってしまい、支出が大きく膨らんでしまった経験はないでしょうか。
これも一つの意思決定をした後に心理的に無防備になったことで購入の意思決定をしてしまうテンション・リダクションの一例です。
金額が大きい例で言うと、家や車を購入した際に「オプションでこれもつけませんか?」と言われたことがある方は少なくないはずです。
何千万の買い物をした後に何十万のオプションを提案されると安く見えるため、せっかくだからオプションもつけようかなとなりがちです。
テンション・リダクションは、先に説明したアンカリングとも相性が抜群です。
1度購入すると、それより安いものをより買いやすい状態になってしまう、貯金、節約したいのであれば、必要なもの以外は買わない!何か購入した時ほど気を引き締める!この気持ちを大事にしましょう。
その他
その他、私たちの支出を増やす仕組みはこんなところにも…
配送料無料
いまやAmazonや楽天などネット通販が私たちの生活に大きく入り込み、外に買い物にでなくても翌日には、物が届く、そんな便利な世の中になりました。
買いたいものをいくつかカートに入れてさぁ購入しよう!と意気込んだところに現れる「あと1200円で送料が無料になります」という言葉!!
仮に送料が500円とした場合、1200円の商品が700円で買える!と思い購入しているとしたらまさに罠にはまっています。
節約したつもりが700円の余計な出費をつくることに…
一方通行のお店
お店に入ったときに一方通行になっていて少し不思議だなと感じたことはないでしょうか。
あれは、お目当ての商品だけではなく、すべての商品が目につくようにしています。
そうすることで、お目当て以外の商品も一緒に買ってもらおうという企業の戦略です。
手書きのPOP
「圧倒的安さ、最安値の歯ブラシ39円!」
面白くかつキャッチーな言葉のPOPを見て、つい商品を手に取ってしまった経験もあるのではないでしょうか。
ドン・キホーテやヴィレッジヴァンガードは、まさに良い例ですね。
デジタルが進んでいるからこそ、アナログな手書きのPOPに親しみを感じやすくなっており、
まとめ
ここまで、行動心理学と呼ばれる消費者を購入へ導くテクニックを見てきましたが、いかがでしょうか。
資本主義社会において、企業はお金を落としてもらえるよういかにして目をひき、購買行動につなげるかを考えています。
そして、それらは意識されないように行われており、私たちは無意識下で購入する意思決定に導かれています。
こうしたことに気付かないまま、家計簿をつけるなどの節約術に頼ったところでそもそも買ってしまった後の話ですので意味ないですよね。
まずは、私たちを取り巻く環境がどのようになっているのか。
企業が私たちに商品・サービスを購入させるために行っていることは何なのか。
これらを知ることで「貯金ができない、節約ができない」という悩みから脱却しましょう!
下記の本は、そんな人が動かされる仕組みについて詳細まで書かれており、とても面白いのでぜひ読んでみてください(ハリー・ポッターの小説なみに分厚いので頑張ってください)。