夏場は何かと電気代がかかる季節ですが、冷蔵庫も例外ではありません。
実は夏場は室温が上がりやすく、冷蔵庫内との温度差が大きくなるため消費電力も上がってしまうのです。
資源エネルギー庁のデータによると、冷蔵庫の消費電力は家電全体の約14%で家電の消費電力1位。次いで約13%で照明器具、約9%でエアコンと続きます。
つまり、冷蔵庫の電気代を節約できれば、その効果も大きくなるはずです。
そこで今回は、夏場の冷蔵庫の電気代節約のコツをご紹介します。
冷蔵庫内は詰め込み過ぎない
冷蔵庫の中にはあまりものを詰め込み過ぎないようにしましょう。
これはよく言われることなので、知っている人も多いかも知れませんね。
いきなりこう言われても、具体的にどれくらいからが詰め込み過ぎなのかわかりづらい、と思う人もいるかもしれません。
一応目安として教育機会を設定しているため、冷蔵庫に入れる量は、だいたい70%程度が適切だと言われています。
『約70%』」と言われてもまだイメージしづらいかも知れませんが、ざっくり言うと冷蔵庫内の奥の壁がなんとなく見える程度の量です。
経済産業省の発表によると、冷蔵庫内に物を詰め込んだ場合と半分にした場合とで、年間の電気代で約1,180円の節約効果が期待されます。
扉の開閉はなるべく少なくする
冷蔵庫を開ける時は、なるべく短い時間で閉めること。
さらに、なるべく開け閉めする回数を少なくすることが、消費電力を抑え、節約する際の基本です。
このように、開閉の時間や回数を少し意識するだけでも、年間での節約額は400~500円程度になります。
あまり大きな額ではないかもしれませんが、チリも積もれば山となる、小さな心がけが重要ですよ。
設定温度は「自動」か「中」にする
冷蔵庫の設定温度を変えるだけでも節約効果が期待できます。
冷蔵庫内の設定温度を「強」から「中」に変えるだけで、年間の節約額は約1,670円にもなります。
冷蔵庫の設定を少し変えて、あとは普段通りにしているだけで出来るのでとても簡単です。
これだけでもしっかりと節約ができてしまうので、おすすめの方法です。
冷蔵庫によっては、「自動」や「エコ運転」などのモードがある場合もありますよね。
実は、「自動」や「エコ運転」の方が「中」よりも省エネ効果が高いので、もしもお持ちの冷蔵庫にこれらの運転モードがある場合は「自動」や「エコ運転」で運転するようにしましょう。
今一度、ご自宅の冷蔵庫の運転モードを確認してみてくださいね。
冷蔵庫の周りは適切なスペースを確保する
冷蔵庫は庫内を冷やす代わりに、熱を庫外へ放出する仕組みになっています。
この放熱が効率よく行われないと、冷蔵庫は通常以上に庫内を冷やそうと運転しなくてはいけないため、消費電力がますます大きくなってしまいます。
つまり消費電力を下げるためには、逆に、放熱を効率よく行えるようにしてやる必要があると言えます。
そのため、冷蔵庫の周辺には適切なスペースを確保し、放熱を妨げないようにしましょう。
冷蔵庫の両サイド、奥、上のスペースには適度に空間を開けておくこと。これだけで年間1,220円の節約効果が見込まれます。
節約効果の高い冷蔵庫へ買い替える
家電の省エネ性能は日進月歩で、最新の冷蔵庫は以前のものと比べてかなり節約効果が期待できます。
また、冷蔵庫のサイズも節電を考える上では重要な要素となりますので、買い替えを検討している方は冷蔵庫の大きさについてもよく考えておきましょう。
案外知られていないことですが、小さい冷蔵庫よりも大きい冷蔵庫の方が消費電力は小さい傾向があるため、ランニングコスト重視で一回り大きな冷蔵庫への買換えも効果があると言えるでしょう。
以下でもう少し詳しく見ていきたいと思います。
最新の冷蔵庫の節電効果は約49%以上!
例えば、最新の冷蔵庫は10年以上前の冷蔵庫に比べて約49%以上の省エネ効果があることを経済産業省が発表しています(※401~450L冷蔵庫の例)
・2007年の冷蔵庫 : 570~640kWh/年
・2017年の冷蔵庫 : 290~320kWh/年
この省エネ効果と年間の消費電力量のデータは経済産業省が公表している数字のため、かなり信憑性のあるものです。
上で示した経済産業省のデータを見てみると、2007年から2017年の10年間で約300kWh/年程度の省エネが達成されていることがわかります。
10kWhあたりの電気代を約26円として節約額を計算してみると、年間で約7,800円の節約に。
なかなか冷蔵庫を10年以上使い続けている人は少ないかも知れませんが、数年使い続けている冷蔵庫よりも最新機種の方が節約効果が期待できるので、消費電力を一度は比較してみても良いかも知れませんね。
大型冷蔵庫の方が消費電力も低くて省エネ!
大きい冷蔵庫の方がなんとなく消費電力も大きいように思ってしまいますが、実はそんなことはありません。
庫内の容積が300L、400L、500Lの冷蔵庫で比較した場合、一般的な消費電力は大きい順に300L>400L>500Lとなり、実は500Lが一番消費電力が小さくなっています。
そのため、電気代というランニングコストに注目して考えてみると、大きめの冷蔵庫を購入する方が節約になる場合があります。
この理由は、大型の冷蔵庫には、小型の冷蔵庫に比べて性能の良いインバーターや制御システム、断熱材が使われることが多く、省エネルギーで庫内を冷やすことができるためです。
ここで、具体的に節約額の計算をしてみましょう。
351~400Lの冷蔵庫について消費電力の平均は429kWh/年、一方で501L以上では平均325kWh/年であり、冷蔵庫の容量違いでおおよそ100kWh/年程度の差があります。
つまり、351~400Lの冷蔵庫から501L~の冷蔵庫へ切り替えることで、年間100kWh/年の消費電力節約が可能ということです。
先ほどと同様、10kWhあたり約26円として計算してみると、年間で2,600円程度の節約効果が期待できます。
もちろん本体価格は大型冷蔵庫の方が高額になってしまいますが、ランニングコストや使い勝手を考慮してみて、少し大きな冷蔵庫を買うという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、冷蔵庫を購入する際には、省エネラベルや製品仕様の内容を確認し、省エネに優れた冷蔵庫を購入するようにしてくださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、冷蔵庫の消費電力を抑えて賢く節約するためのちょっとしたテクニックや気を付けることとして、下の5つのものを紹介しました。
・冷蔵庫内には詰め込み過ぎない
・扉の開閉はなるべく少なくする
・設定温度は「自動」か「中」にする
・冷蔵庫周りは適切なスペースを確保する
・最新の節電性能の高い冷蔵庫へ買い替える
知らないとついついやってしまうような些細なことですが、
ここまで見てきたように、どれもちょっとした心がけや注意で実践できるものがほとんどです。
上記5つのポイントを全て実践した場合、その節約効果は年間でおよそ1万3,000円程度にもなります。
家電の内のたった一つ、冷蔵庫について節約を意識するだけで、年間1万円以上の節約が期待できるってすごいですよね。
夏場は特に電気代が上がりやすいので、今のうちから対策をしておくと節約効果を実感しやすくなるはず。
ちなみに、おすすめの方法は、冷蔵庫の設定を「強」から「中」へ変える、です。
一度設定してしまえば、その後は通常の使用方法でOKのため、節電・節約のわずらわしさが全くありません。
それでいてしっかり電気代の節約ができてしまうので、本当におススメです。
今回紹介した方法を活用して、ぜひさっそく冷蔵庫の節電・節約に取り組んでみてくださいね。