「野菜の値段が高くて買えない…」
「野菜は高いから、サプリメントやジュースでしばらく栄養補給しようかな…」
こんな思いを抱いている方!
野菜が高いと言いながらも買った野菜を最後まで使い切らずに捨ててしまっていませんか?野菜の皮・種・根など、普段捨ててしまっている部分にこそたくさんの栄養がつまっています。
今回この記事では、誰でも簡単に野菜の皮・種・根などの栄養をとれる「べジブロス」について紹介します。
特別な技術・お金などは一切いらないため、野菜を有効活用しつつ栄養補充におすすめです。
ベジブロスとは?
ベジブロスとは、野菜(vegetable)のだし汁(broth)のことを指し、野菜をじっくり煮こんでつくります。
ベジブロスに使う材料は野菜本体ではなく、野菜の皮・種・ヘタ・根っこなど通常ごみとして捨ててしまっている部分です。
下記の理由から、ベジブロスは魔法の野菜だしとして数年前より注目されています。
・いまある野菜を無駄なく丸ごと使いきれる点
・ファイトケミカルを効率よく摂取できる点
つまり、ベジブロスを作ることでいまある野菜を無駄なく使いきれるだけでなく、栄養もあますことなく摂取することができるのです。
ファイトケミカルとは?
ファイトケミカルとは、野菜が紫外線や昆虫といった植物にとって有害となる外の刺激から「野菜の命を守るバリア機能」として作り出された色素・香り・辛味・ネバネバの成分のことを言います。
ファイトケミカルは、野菜の皮や根、種などに多く含まれる天然成分で抗酸化作用や免疫力向上などが期待され、病気から身を守り健康を維持する物質を豊富に含んだ成分として注目されています。
ファイトケミカルの種類は1万以上あり、成分や効能もさまざまです。そのため単体よりも多くの成分を組み合わせることにより一層大きな効果を発揮するとされています。
ベジブロスがファイトケミカル摂取を効率化!?
ファイトケミカルは、野菜の細胞壁にしっかりと守られているため、普通に噛んで食べるだけでは消化されにくいです。結果、大部分が体に吸収されることなく排泄されてしまいます。
たくさん野菜を食べても、栄養が吸収できていなければもったいないですよね。
そこでベジブロスは効率的にファイトケミカルを摂取することができる調理法として推奨されています。
時間をかけてじっくりコトコト20~30分煮込むことで、野菜の細胞壁が壊れ栄養分がスープにとけ出すため体に吸収されやすくなるのです。
0円でこんなメリットが!?べジブロスの効果
ベジブロスでファイトケミカルを効率よく摂取することのメリットについて理解できたかと思います。ここでは、ファイトケミカルの効果について紹介します。
0円で美肌効果
ファイトケミカルには、身体の内から活性化酸素を除去する力があり、皮膚の新陳代謝が活性化するため、美肌効果が期待できます。
また、美肌に効果的といわれるポリフェノールやリコピンといった栄養素は、今まで捨ててきた野菜の皮・種・根の部分にこそ多く含まれることが分かっています。
0円で免疫力UP
ファイトケミカルは免疫細胞の働きを高める効果があります。
さらに医学博士の高橋弘さんの研究でベジブロスを摂取することで大切な免疫力となる白血球の増加がみられたという結果もあがっています。
血液中の抗酸化力UP
体の中の老化物質「活性酸素」の増加を防ぐことで抗酸化力がアップします。
2012年順天堂大学大学院教授の白澤卓二さんの指摘により、血液中の抗酸化値を測定する検査を実施したところベジブロスは抗酸化力を向上させることがわかりました。
https://president.jp/articles/-/35641?page=2
さらに高い抗酸化力は長寿のキーとして予防医学で注目を集めています。
べジブロスで本当に節約できる?節約×健康の理由
ここまでベジブロスの特徴・効果を紹介しました。ここからはベジブロスでなぜ節約できるのかについて紹介します。
とにかく安く栄養補給ができる
今まで捨ててしまっていた部分から栄養を摂取できるため、お財布にやさしいです。
ファイトケミカルを摂取するサプリメントを検索すると、サイト内1位のサプリメントが30日分あたり3915円で売られていました。
また、楽天市場で同様にファイトケミカルと検索すると5,510円で販売されていました。(2021年2月現在)
「麻布医院・高橋院長 監修 ファイトケミカル・プラス45g(3g×15包)
しかし、ベジブロスであれば普段捨てている部分からファイトケミカルを摂取できるため0円で摂取することができるのです。
したがって、サプリメントでファイトケミカルを摂取している方にとっては大きな節約になるかと思います。
無料で無添加だしがとれる
食卓に欠かせない「出汁(だし)」をとることができるため、お店でだしを買う必要がなくなります。
野菜ならではの風味や甘みがしみ込んだコクのあるだし汁で料理に深みを与えてくれます。
スープやなべ物のベースとして使う他、汁物・煮物・煮込み料理などいつものだし汁と同じ感覚で使用できます。
いつも捨てる部分を使い切る!野菜をまるごと有効活用できる
野菜のいつも捨てる部分にこそ栄養が凝縮されています。
栄養の豊富な部分を丸ごと煮だすベジブロスを作ることで、無駄なく野菜をまるごと使い切ることができるため節約にもつながります。
さらに煮だすことで吸収されやすい形で栄養を体内に摂取できるため、体はしっかりと栄養をキャッチすることができ「栄養摂取」という観点で見ても無駄のない食べ方です。
超簡単!ベジブロスの取り方
こちらでは、べジブロスの材料・取り方について紹介します。
材料
① 野菜の皮や切れ端:2~3種以上を両手1杯分程度
(5種類以上の野菜を入れることで、深みが増し、料理になじみやすい味に仕上がります)
② 水:1300ml
③ 酒:小さじ1
ベジブロスの取り方
①火にかける前
鍋に水とベジブロス用の野菜を入れ、お酒を加えます。
(このお酒が野菜のうまみを引き出すとともに臭みを消してくれます)
②火にかける
弱火でじっくりコトコト20~30分程加熱しましょう。
(ここでいう弱火とは、野菜がふつふつと踊るくらいの火加減を表します)
強火で煮ると苦みが増してしまうため気を付けましょう。
★さらに節約する方法
圧力なべを活用して時短&節約ができます!圧力なべをつかうことで10分程度での完成が可能です。これにより時間と光熱費を節約することができます。
沸騰して圧力がかかったらすぐに火をとめれば余熱で圧が下がるまで待てば完成します。
③煮込んでいる間
野菜を煮込んでいると灰汁(あく)が出てきますが決して取り除かないでください。これがファイトケミカルです。
④煮込み終えた後
火を止め、ざるの下にボウルや鍋を置き、濾(こ)して完成です。
ベジブロスを作る上での野菜の選び方
べジブロスを作る際、向いている野菜と不向きな野菜に注意しなくてはいけません。それぞれ紹介していきます。
ベジブロスに最適!おすすめの野菜
セロリ、パセリ
ベジブロスを口に入れた際さわやかな香りが口の中いっぱいに広がり、精神安定効果が期待できます。
玉ねぎ
玉ねぎの皮は血液をサラサラにする効果も期待でき味・色共によくします。
にんじん
βカロテンが多く、ファイトケミカルもたくさん含んでいるため栄養価が高いです。
クセが強くて食べにくい!避けた方が良い野菜
ここから挙げる野菜はあくまで避けた方が良い野菜であり、絶対に入れてはいけない野菜ではありません。
特有の風味や味わいが好きという方や、特に気にしない方は下記の野菜を使用しても問題ありません。
においが強い野菜
・キャベツ、ブロッコリー、菜の花、山菜などアブラナ科の野菜
・にんにく、ニラ、ラッキョウ
上記の野菜は硫黄成分を多く含むため刺激臭がでてきます。硫黄成分を含む野菜には十分注意が必要です。
小さじ1杯のお酒がある程度においを消してくれるので、量を加減して試しながら食材を検討してもいいでしょう。
苦みのある野菜
・ゴーヤ、春菊、きゅうり
上記の野菜は、苦みが強いため基本的なベジブロスを作りたい場合避けることが無難です。
灰汁(あく)が出る野菜
・カボチャの種、キャベツやブロッコリーの芯、カリフラワー、カボチャの種
上記の野菜は、灰汁(あく)が多く出るため避けることをおすすめします。
澱粉(でんぷん)を多く含む芋類
・ジャガイモ、さつまいも
澱粉(でんぷん)を多く含む野菜は入れすぎると出汁に粘度が出てしまうため、使う量には注意しましょう。
高い有機野菜を買う必要はありません!
野菜の皮などをまるごと使う際、農薬が心配になりますよね。
農薬を使っていない有機野菜を買うことは節約には適しません。
そこで有機野菜を使わずに安全に調理する方法を紹介します。
①流水でこすり洗いする方法
農薬除去レベル★
野菜のくずを「つけ置き」ではなくしっかり水で30秒程洗い流し、こすり洗いします。スポンジ・たわしで磨き落としてもいいでしょう。
②酢につける方法
農薬除去レベル★★
酢には殺菌・防菌効果があります。
1.酢:水=1:2となる酢水をつくります。
2.酢水に野菜を5分程つけます。
3.流水で洗い流します。
③50℃で洗う方法
農薬除去レベル★★
50℃のお湯で2~3分洗うことで雑菌も一緒に死滅させることができます。
④重曹水で洗う方法
農薬除去レベル★★★
1.ボウルに小さじ1杯の重曹を溶かします。
2.野菜を入れて30~1分間浸します。
(※浸しすぎると栄養素が溶け出すため注意)
3.水でしっかり洗い流します。
ベジブロスの保存方法
最後に、ベジブロスの保存方法について紹介します。
冷蔵保存
冷蔵庫で3日を目安に保存することが可能です。
粗熱が取れたら、ざるや茶こしで濾(こ)してボトルなどの容器に移し、冷蔵庫で保管します。
冷凍保存
1か月程度を目安に冷凍保存をすることが可能です。
製氷機で凍らせておくと必要な量だけ取り出せるため便利です。
解凍後は解凍して濾(こ)してから使ってください。
まとめ
これまで調理の過程でゴミとなり捨ててしまっていた部分を活用することで、0円で栄養を摂取できることがお分かりになったのではないでしょうか。
ぜひ、料理の際に出た皮や葉や根などは捨てずに活用しましょう!
ベジブロスを始めるとお肌がきれいになる、風邪をひきにくくなるなどの効果を得ることができるため、エステや健康食品、サプリメントも不要になるため節約できます。
免疫機能を高め、内から健康的になることで病気にかかりにくい身体を手に入れることもできるため、医療費を抑えることもできます。
捨てていた物の中から新たな活用方法を生み出すことも節約の一種となりますので、ぜひ普段の料理についても見直してみてはいかがでしょうか。